納涼!怖い本

平成22年度 第4回
展示開始
2010/07/12(月) - 00:00
展示終了
2010/08/12(木) - 00:00
 
展示テーマ:納涼!怖い本
期間:平成22年7月12日(月)~平成22年8月12日(木)
場所:熊本大学附属図書館中央館1階ロビー
 
暑い夏を乗り切るために、図書館内にある本から「怪談」「見て怖い本」「こわい小説」を集めて展示しました。
 
怪談1 近世
現在、人々に認知されているような怪談の形は近世に生まれています。神話や説話集を題材にしたもの、中国怪奇小説を日本風にアレンジしたもの、人々の生活に密着した体験談などの様々なジャンルが現れ、文学性が増していきました。近世に生まれた怪談は歌舞伎や落語の題材としても親しまれており、現在でも小説・マンガ・映画などで取り上げられています。
 
怪談2 八雲
明治期になると、文明開化の影響から心霊的なものは軽視される傾向もあったようです。1904年に小泉八雲が出版した「怪談」は、欧米に日本の ことを紹介する意図で書かれた作品集です。 妻の節子から聞いた日本の民話、古今著聞集などをベースに描かれています。また、明治後期にはリアリズムに対する反動から怪談ブームが起こり、様々な文学者が百物語怪談会を開催したり、怪談的要素を取り入れた小説が多く執筆されました。
 
怪談3 遠野
1910年に出版された「遠野物語」は、岩手県遠野町に伝わる民話について、柳田國男が佐々木喜善から聞いて書いたものです。2010年は遠野物語出版から100年を迎えた年でもあります。
 
怪談4 現代の怪談
現代の民話・怪談として、学校の怪談や都市伝説に関する本を集めました。
 
見て怖い本
幽霊や妖怪を描いた画集や、絵画にまつわる恐怖について描かれた本を集めました。
 
こわい小説
気楽に読める怪奇小説やミステリー小説を集めました。
 
201007_lobby2.JPG201007_lobby1.JPG
201007_lobby4.JPG201007_lobby3.JPG

展示図書から

柳田國男『遠野物語』
2010年は遠野物語が出版されてから100周年になります。
日本民俗学に大きな影響を与えたといわれる、岩手県遠野町に伝わる民話をまとめた説話集です。
柳田國男の『遠野物語』を水木しげる氏が漫画化しました。水木氏による遠野探訪記も収録されています。
ラフカディオ・ハーン『Kwaidan(怪談)』
古今著聞集から題材をとった怪談や、妻の節子から聞いた日本各地に伝わる伝説や幽霊話に独自の解釈を加えて著した作品集です。図書館で所蔵している様々な版を展示しています。
中野京子『怖い絵』
名画に潜む恐ろしい事実の数々を解き明かしていきます。
歌舞伎・演劇・映画等に多くの影響を与えた落語『牡丹灯篭』が収録されています。口語体で書いてあり、読みやすいです。
トイレの花子さんや理科室の人体模型など、学校には怖い話がたくさんあります。あまり注目されてこなかった子どもたちのうわさ話を民俗学的手法で研究した本です。