オープンアクセス論文掲載料(APC)支援情報

 論文をジャーナルに投稿する際に、オープンアクセス(OA)で出版するための費用としてオープンアクセス論文掲載料(APC:Article Processing Charge)を出版社から求められることがあります。
熊本大学の構成員(教職員・学生)であれば、以下の出版社についてAPCの支援や割引を受けることができます。

オープンアクセス推進に係る論文掲載料支援制度による支援

 熊本大学では以下の出版社との間で、電子ジャーナルの購読と論文のOA出版を包括的に取り扱う契約(転換契約)を締結しています。本学が論文掲載料を支援することにより、著者は正規APCよりも低額な経費負担で、対象のハイブリッドOAジャーナルでのOA出版を選択することができます。
 支援件数には、出版社ごとに1年単位での件数の制限があるため、先着順での支援を行い上限に達し次第終了します。

Springer Nature (2025年1月1日より開始)

 Springer、Palgrave Macmillan、AdisおよびAcademic Journals on nature.comのハイブリッドOAジャーナルが対象となります。
 対象ジャーナルと支援の詳細は、学内限定ページ(Moodle)をご確認ください。

Elsevier (2025年4月1日より開始)

 ScienceDirectのハイブリッドOAジャーナル(一部対象外あり)が対象となります。
 ※対象外のハイブリッドOAジャーナルとフルOAジャーナル(一部対象外あり)には、10%または15%のAPC割引が適用されます。
 対象ジャーナルと支援の詳細は、学内限定ページ(Moodle)をご確認ください。

 

オープンアクセス論文掲載料(APC)割引情報

 以下の割引の適用については、図書館での取りまとめは行いませんので、著者ご自身で出版社やジャーナルのWebサイト等を確認し、申請してください。また、学会では個人会員向けにAPC割引制度が用意されることもありますので、各学会のWebサイトをご確認ください。

2025年6月11日現在

出版社 対象ジャーナル 割引内容等 対象著者 利用方法
American Association for the Advancement of Science (AAAS) Science Advances 投稿者所属機関のScience Advancesにおける論文掲載実績等により5%~15%のAPC割引が提供されます。 責任著者 Science Advances APC割引取得手順(PDF)
Licensing and charges - Science Advances
(ジャーナルWebサイト)
Journal of Virology 他5タイトル(詳しくはこちら 「Subscribe to Open」プログラムにより、2025年のAPCが無料になります。(Page Charge等はかかりますが、熊本大学は購読機関のため、25%の割引があります) 限定なし 著者の所属が熊本大学である論文で利用できます。
S2O Author FAQ
(出版社Webサイト)
Association for Computing Machinery (ACM) IEEE、Sageとの共同出版タイトルを除いたACM刊行物(詳しくはこちら ACM Openでの契約により、APCが無料になります。(2025年1月1日~2027年12月31日) 責任著者 熊本大学の電子メールアドレスを使用して投稿した論文で利用できます。
ACM Open Author eRights利用ガイド(日本語版 PDF / English ver. PDF
American Chemical Society (ACS) すべてのハイブリッドOAジャーナル 熊本大学は「Subscribing Institution」に該当するため、APC割引価格が提供されます。
(著者ご自身がACS会員であれば、更に割引された価格になります)
責任著者 Pricing - ACS Open Science
(出版社Webサイト)
Elsevier
(ScienceDirect)
一部のハイブリッドOAジャーナル、フルOAジャーナル(詳しくは学内限定ページ 2025年4月1日以降に対象誌でアクセプトされた論文をOAにする場合に、10%または15%のAPC割引が提供されます。 責任著者 詳しくは学内限定ページ(Moodle)をご確認ください。
Mathematical Sciences Publishers (MSP) Pacific Journal of Mathematics 他4タイトル(詳しくはこちら 「Subscribe to Open」プログラムにより、2025年のAPCが無料になります。 限定なし Subscribe to Open
(出版社Webサイト)
Microbiology Society すべてのジャーナル 雑誌購読契約の有無に関わらず、プロモーションコードの入力により、APCの10%割引を使用できます。
(2027年6月まで)
限定なし OA出版費用割引プロモーションコード
(代理店Webサイト)
Multidisciplinary Digital Publishing Institute (MDPI) すべてのジャーナル 熊本大学は「Institutional Open Access Program(IOAP)」に参加しているため、10%のAPC割引があります。
(査読者割引や招待割引との同時使用ができます)
限定なし Institutional Open Access Program - MDPI
(出版社Webサイト)
National Academy of Sciences of the United States of America (NAS) Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS) 熊本大学は「Institutions with current-year site licenses」に該当するため、即時Open Accessにする場合はAPC割引価格になります。
(出版後6ヶ月経過するとすべてOpen Accessになります)
責任著者 Publication Charges - PNAS
(ジャーナルWebサイト)
SCOAP3に加盟する出版社 SCOAP3の対象誌(2020-2022)
(SPARC JAPAN)
SCOAP3の会員館が会費を負担しているため、APCの負担はなくOAになります。著者による手続きは不要です。
(熊本大学はSCOAP3の会員館です)
限定なし SCOAP3 Journals
(SCOAP3 Webサイト)

 

【用語解説】

オープンアクセス(OA)

論文等の学術情報がインターネット上に公開され、無料でアクセスできる状態のこと。研究者や図書館が中心となって行う「グリーンロード」と、商業出版社により行われる「ゴールドロード」がある。

グリーンOA

著者自身が、機関リポジトリ等に著者最終稿を登録して論文を公開する。出版社版の掲載ができない事が多いため、国内では紀要論文のOAが中心となっている。熊本大学の構成員が出版済みの論文をオープンアクセスにする際には、熊本大学学術リポジトリを使用できる。 参考:熊本大学学術リポジトリ

ゴールドOA

商業出版社が、著者から論文掲載料(APC)を徴収し、読者には無料で論文を公開するOAジャーナルを出版するビジネスモデル。出版費用がAPCによって賄われ掲載論文がすべてOAである「フルOAジャーナル(Gold OA誌)」と、購読料によって出版されるものの著者がAPCを支払ってOAを選択する事もできる「ハイブリッドOAジャーナル」がある。

ハゲタカジャーナル

APC収入のみを狙って刊行され、査読等のしかるべき水準の品質管理を行わない悪質なOAジャーナル。フルOAジャーナルに投稿する際には、ハゲタカジャーナルでないことを確認する必要がある。
参考:ハゲタカジャーナルへの投稿リスク・ハゲタカ学術集会への参加リスクについて(注意喚起)【熊本大学URA推進室】