館長あいさつ

附属図書館長からのご挨拶

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 2023年4月1日に熊本大学附属図書館長に就任した宮崎誓と申します。大学院先端科学研究部に所属し、専門は数学です。
 大学図書館には知の結晶が詰まっており、学生・教員・一般市民が専門知識に触れる場です。館内に足を踏み入れると、専門書に圧倒されるかもしれません。学びあいの場であるラーニングコモンズも利用できます。熊本大学の最先端の研究を支えるため、図書館は電子ジャーナル・データベースを毎年契約し、学術リポジトリを通して本学の研究成果を発信しています。
 本に熱中した経験がある方は、文庫・新書を雑読する楽しさは理解できるでしょう。私も旅先では本屋に立ち寄ります。実は、小学生の頃は読書の時間が嫌いで、何をしていいかわからず、ボーっとしていました。読書感想文も嫌いでした。理由は簡単、強制だった事、それから、興味のある本を見つけられなかったことです。しかし、高校、大学と進むにつれ、時間が自由になり、気に入った本に出会うようになりました。
 大学図書館では、本屋・ネットとは違った本探しができます。一度、図書館に入ってみて下さい。一般書・専門書に限らず、専門知識をかみ砕いた本もあります。ニュートンの書いた微積分学や力学の原著は難解ですが、世代を経て、多くの方が理解できる形になりました。科学の進歩には知識の大衆化の側面があります。大学図書館の特徴は古い本から系統的に揃えてあること、十分に選書され、講義の関連図書も充実していること、これらを図書館職員と目指しています。
 ICT技術により、図書館の電子化・ハイブリッド化が進むでしょうが、教育・研究を支える役割は変わりません。活字離れを嘆くより、知の民主化を進めることが大事でしょう。学術研究にも情報の共有化が必須であり、今後の大学図書館の役割かもしれません。
 図書館のウェブページでは新聞も読め、図書検索・論文検索も出来ます。熊本大学には国指定の重要文化財を含む多くの貴重資料があり、永青文庫研究センター等と連携して資料を一部公開しています。また、本学学生を対象とした「熊本大学東光原文学賞」を毎年開催しており、受賞作品はウェブから読めます。今年度も応募をお待ちしています。
 附属図書館(中央館・医学系分館・薬学部分館)は皆さんの学習を支援し、研究に関わる方々のためにあります。コロナ禍で利用制限をしていましたが、徐々に平常運転に戻していく予定です。よろしくお願いします。

 

熊本大学附属図書館長 宮崎誓