第36回熊本大学附属図書館貴重資料展「廃藩置県と熊本藩」

明治3年9月 熊本城廃棄意見書

外題

太政官日誌 卅四

文書群名

細川家文書

所蔵機関

公益財団法人永青文庫

内容

熊本城廃棄意見書

年代

明治3年9月

目録番号
103.16.2.34

『太政官日誌』に掲載され、全国の耳目を驚かせた意見書

本意見書は、「明治維新の流れが大きくなりつつある今、『戦国之余物』である城郭が全国に林立している状況は、天皇中心の政治体制を確立していく過程において『障碍(しようがい)』にしかならない」と述べる。その上で、「加藤清正が築き、『西陲(せいすい)ノ雄』と称された熊本城を思い切って廃棄し、人心を一新させる画期としたい」と主張する。熊本藩の明治3年(1870)の藩政改革を「肥後の維新」と表現したのは徳富蘆花であったが、この意見書は、まさに「肥後の維新」の象徴として、熊本藩のみならず、全国的な維新政治史の中でも重視されてきた。

しかし、今回の貴重資料展では、本意見書に、これまでとは違った光を照射して、その新しい側面を浮かび上がらせてみたい。詳しくは、オンライン講演会でお話しすることになるので、是非、視聴していただきたい。(三澤)

 

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【掲載画像3枚目拡大】「熊本城ハ加藤清正ノ築ク所宏壮西陲ノ雄ト称ス」
「加藤清正が築き、『西陲(せいすい)ノ雄』と称された熊本城を思い切って廃棄し、人心を一新させる画期としたい」と主張する。

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