第36回熊本大学附属図書館貴重資料展「廃藩置県と熊本藩」

明治9年10月 明治九年 日記

外題

明治九年 日記

文書群名

細川家文書

所蔵機関

公益財団法人永青文庫

内容

神風連の乱と細川家

年代

明治9年10月25日

目録番号
22.2.91

神風連の乱で避難を余儀なくされた細川家の御曹司

廃藩後、旧知藩事(旧藩主)は東京に居住する。廃藩置県で旧藩主家は旧藩地から切り離されたと理解されているが、細川家の場合、廃藩後も護久の世子護成(もりしげ)やその妹たちが北岡邸などに居住していた。

明治9年(1876)10月24日の夜、旧藩士の一派である敬神党(けいしんとう)が挙兵する(神風連(しんぷうれん)の乱)。敬神党の一部は、護成の擁立によって旧藩士の協力を取り付けることを企図し、北岡邸に向かった。北岡邸の日記である本史料によると、午前零時前に熊本城の鎮台兵営などから出火し、大小の砲声が聞こえ出したところ、旧藩士の面々が「御守衛」のために参集し、密かに護成や妹たちの避難を勧めた。護成が敬神党の手に渡ることを恐れたためである。護成は、旧藩士に守られて宇土の桂原(かずわら)に避難した。この一件について、本史料には「いつれ茂苦心仕、紙上ニ難尽候事」と記されており、当夜の混乱ぶりがうかがえる。(今村)

 

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【掲載画像2枚目拡大】「いつれ茂苦心仕、紙上ニ難尽候事」と記されている

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