学生主役の企画展 第7弾【天草と「島原大変」 ~「島原大変肥後迷惑」の記録と記憶Ⅱ~】開催中

安高啓明研究室×附属図書館 連携企画展 第7弾
【天草と「島原大変」 ~「島原大変肥後迷惑」の記録と記憶Ⅱ~】を中央館で開催しています。
 
館内展示(1階 ラーニングコモンズ)

寛政4 (1792) 年、普賢岳噴火に伴う眉山の山体崩壊により大津波が発生すると、その影響は対岸の天草・熊本にも及び、甚大な被害をもたらしました。

企画展Ⅳ―「島原大変肥後迷惑」の記録と記憶―では島原の被災の記録と供養塔を取り上げました。それを受けて本企画展では、天草側に分布する供養塔を取り上げ、「島原大変肥後迷惑」が天草にもたらした影響と、その記憶の継承を紹介します。

 
企画展名物!『解説シート』
今回も、学生力作の『解説シート』を無料配布します♪  天草供養塔分布マップや、供養塔の拓本をご覧ください。
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学生が主役になれる企画展 7
 天草と「島原大変」~「島原大変肥後迷惑」の記録と記憶Ⅱ~
 
 Ⅰ 天草の供養塔の分布
 Ⅱ つなぐ記憶と供養塔
 
期間 : 平成31年3月29日(金)~
場所 : 中央館1階 ラーニングコモンズ
 
注目資料

◆『肥後国絵図』

 作成:不明 年代:元治2(1865)年 所蔵:安高啓明研究室
<江戸時代、肥後国(熊本・天草)の行政地区を記した絵図。現在の地図と異なり、南側が上を向いています。>

 

◆『天草供養塔分布マップ』

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 魅せる展示の工夫がいっぱいです♪
 『解説シート』と一緒にお楽しみください。
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研究代表:安高 啓明(熊本大学大学院准教授)
解説シート作成:長屋 佳歩(熊本大学大学院)
山下 葵(熊本大学大学院)
川端 駆(熊本大学)
 

   
◆◇ごあいさつ◇◆
 
 

雲仙岳では寛政3(1791)年から地震が頻発、住民が不安を抱えるなか、寛政4(1792)年1月18日には噴煙があがった。この噴火によって、溶岩が周辺地域に流れ、その後も、有感地震はおさまる兆しがなかった。こうして、4月1日夜、島原地方を大規模地震(マグニチュード6.4)が襲う。これにより、雲仙岳の東側にある眉山の山体崩落が起こり、土石流が有明海に流れ込んだ。

 すると、大津波が発生し、天草や熊本、宇土、玉名、荒尾などにも被害をもたらした。これにより、約15,000人もの死者や多くの負傷者を出し、家屋・蔵が流失、牛馬も流死した。島原半島にとどまらず、対岸の熊本にも被害を及ぼしたことから、この一連の被災は「島原大変肥後迷惑」と言われた。未曾有の被害をもたらした災害を後世に伝えるため、数多くの記録物が作成され、被災地には、流死者を悼んだ供養塔も建立された。これらの供養塔は、島原藩が命じたもの、村の有志によるもの、僧侶が建立したものなどが現存している。

 雲仙普賢岳は平成2(1990)年11月17日に噴火したことを機に、翌年5月15日には水無川で土石流が発生し、6月3日の大規模火砕流では、43名の死者・行方不明者があった。また、平成28(2016)年4月14日、同月16日に発生した熊本地震は、我々の記憶に新しい。島原・天草・熊本では、近年、幸いにも津波被害は出ていないが、かつての災害の史実を認識しておくことは、防災意識を醸成するうえでも肝要である。

 本企画展は、船の科学館・日本財団の海の学び調査・研究サポート「長崎・熊本両県における自然災害(地震・噴火・津波)に関する総合調査―寛政4年「島原大変肥後迷惑」の文献・慰霊碑を中心に―」(研究代表:安高啓明)の助成をうけて実施することができた。調査研究分担者の松本博幸(天草市)・吉田信也(島原市)には多大なご協力を得た。また、日本史研究室に所属し、将来、学芸員への就業を希望する大学院生・学部生も、調査から展示に至るまで参加し、実践教育の機会として本事業を実施することができた。本事業にご協力いただいた関係各位に衷心よりお礼申し上げる。

平成31年3月29日
熊本大学大学院人文社会科学研究部
准教授 安高啓明